リスペクト

いつの間にか9月も半ば近くになろうとしています。

今年は、気温の割に湿度の高い夏で、体調不良な方が多かったように思います。ようやく過ごしやすくなってきました。

さて、私事ですが、先日、高校時代の部活動の同窓会がありました。

私は高校時代を剣道部で過ごしました。
練習が厳しく辛かったわりに、私はなかなか上達出来ず、試合に勝つこともほとんどなかったように思います。
それでも厳しい練習を嫌うことなく、時に、先生に転がされて、足で面を踏んづけられたこともありましたが、シゴキを受けたことを秘かに得意げに感じていたのは先生の愛情を感じることが出来たからだと思います。

それから、30年の歳月が流れ、それぞれに活躍する剣道部の友人たちと再会し、あの頃にはわからなかったけれど、先生の御指導は、高校時代に結果を残すということ以上に、長い人生を乗り切る強い心を育てて下さったのではないかと考えました。

私もようやく、過去を振り返り、あの時には分からなかったことがわかる歳になってきたのだと思います。それでも長いスパンで物を考えるようになってきたのは、仕事中に、マッサージをしながら患者様から話を伺うことが多いおかげじゃないかと思います。

人生の終盤に差し掛かった人たちの回想というのは、出来事の大きさに関わらず、それぞれの人生において大切な一つ一つであり、お話を伺いながら、人生って長いなぁとしみじみ感じる時間です。

今の出来事は、大変なことや辛いこと・うれしいこといろいろあるけど、過ぎてしまえばただのカケラに過ぎず、本当のことがわかるには時間が必要なこともいっぱいあるんだなぁとつくづく思うし、長い年月を超えてきたという理由だけで、心からリスペクトする気持ちになります。

私には中学生の息子が二人いるのですが、時代の流れが早いからか、今すぐ結果を出すことが最優先されているような学校生活の中で、窮屈な毎日を過ごしているように見えます。
それで、時々、患者様が話して下さる人生のあれやこれやを息子たちにもおすそ分けしてやります。(もちろん個人情報が漏洩しないように気をつけております)

患者様から話を聞いている私の幸せな時間を、息子たちも同じように感じてくれたらいいなと思いながら話しています。
そして、それが性急な結果ばかりを求められる窮屈な毎日の風穴になり、年長者をリスペクトする心に育ってくれると願っています。

いつも綺麗な施設のディスプレイに入居者を大切に想う心を感じます。

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