治癒力

15歳のアスリートの股関節の痛みはあっけなく治ったようです。
基本的には、オーバーユースなので、休養が治療の基本です。
それに、ほんの少しの筋肉の調整。バランスのとれた動きに誘導すれば、後は本人の力で最善の状態に戻っていったのだと思います。

ただ今回は、意外なおまけがついてきました。
足底にあった巨大なイボが割れて大きな穴が空いてしまったのです。
大腿後面の筋緊張を改善することで、足底の筋肉が伸びてイボが裂けてしまったようです。

びっくりですが、身体の中で起きていることは、本当にシンプルで、人間の頭では、その全体を理解することがなかなか難しいように思います。

若いこの方のように、本人の治癒力が大きいと、こんなことが簡単に起きます。

治癒力とは、誰にでも備わっている、身体を恒常的に維持しようとする自らの内にある力のことです。どんな最悪の状態に思えても、身体は常に治癒に向かって働き、その時の最善の状態を維持しているのです。

ただ、高齢になってくると、その働きも落ちてくる上に、使い込んだ身体は、あちこちが傷んでいるので、治癒力が働いても、若い頃のように身体がすっきり元どおりとは行きません。

傷んだなりに、一番ベストな状態に落ち着かせてあげられるのか、治療師としての腕の見せどころなのだろうと思います。
しかし、凝り固まった筋肉をもみほぐすことで、変形した関節をサポーターのように固めている筋肉までも必要以上に柔らかくして、逆に身体に負担を与えてしまうこともあります。

このところの匙加減がなかなかうまくいきません。

ですから、誰も彼もが15歳の方のようにはうまくいきません。

もう10年にわたり、心臓疾患をお持ちの方の治療にかかわらせていただいておりますが、慢性的に怠さを抱える方の治療は、そのところが全くうまくいきません。

本人の力と私の治療の兼ね合いがバッチリいかず、反応をお聞きしては、ため息をつく日々です。

それでもあきずに治療を続けさせて下さっていることに、心から感謝です。
もっともっと上手になりたいです😢

強くたくましく、季節や場所を選ばず真っ直ぐに伸びているラベンダー。
こういうたくましい草花に、人を癒す大きな力があるのだろうと思います。
こんな風に強くたくましく生きていたいものです。

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