記憶 魂の同化

「石けん使った時は私を思い出してや」

先日、小さくて履けなかった靴をもらっていただいた患者さんから、靴のお礼にとステキなハーブの石けんをいただきました。
その時にこう言って下さいました。

こんなチャーミングな台詞を言われたことも言ったこともありません。この石けんを使い終えてもハーブの石けんを見るたびに思い出すことになりそうです。
本当にありがとうございます。

記憶というのは、その体験した時の自分の魂が、時間と空間に支配されることなくずっとそこにいて、それを思い出す時、今の自分と、その体験した時の自分の魂が同化しているのだと、私に話して下さった方がいます。
全く荒唐無稽な感じで、その時は、その意味さえ理解できないように思いましたが、今ならなんとなくわかるような気がしています。

何かを思い出すとき、私はその時の私と同じ場所と時間と隔たりなくまさにその時の私なんだと感じるのです。
とりわけてもその記憶の相手が亡くなってしまっている時は、思い出す度に、一緒にいるような気になります。

随分と長い時間、訪問マッサージをしてきました。そして多くの方の別れを経験してきました。

自転車で家の前を通った時や、なにか関連するものを目にした時に思い出す記憶も増えてきました。

そんなこんなで、訪問マッサージの仕事は孤独だと思ってきましたが、いつも誰かの何かのことを思い出している時間が増えて、寂しい時間が少なくなってきたように思います。

記憶を近くに感じることで寂しさが紛れるなんて! 歳のなせる技なのかもしれませんね!

何はともあれ、仕事を続けさせていただいている全てに感謝です。

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