悠生治療院

身体のバランスの崩れをケアします。アンチエイジングケアを基本に重量に抗える肉体を維持できるようにケアさせていただいております。訪問マッサージもしております。

心と身体の健康について

心が健康でいるためには、身体の健康が大切であること。なぜなら齢を重ねれば重ねるほどに、心は身体に大きく影響されるようになるからである。
また身体を健康を保つためには、毎日やってくる老化、それは具体的には筋肉が弾力性を失い、筋力低下を起こすことなのだけれど、筋力低下を食い止めることが何より大切であること。
そのために毎日の暮らしの中で身体の使い方を意識することが大切であること。
骨格的な変化をできる限り引き起こさないよう意識することがとても大切である。

田中(安井) 美香

立命館大学卒

京都仏眼鍼灸理療専門学校(旧仏眼厚生学校)卒。

ブログ

一生懸命真面目に働く

「人に働かせて、自分は動かんと金儲けする人は嫌いや。」 この間の私のトラブルを見ていたように患者さんがこうおっしゃいます。 「私のお父さんは、山口県の萩の出身で、ちょっと頭が良かったんや。 けど、頭がいい人というのは、自分が働かんと、人をアゴで使って金儲けしようとするんやなぁ。 私は、自分がしんどい目して稼ぐのが好きやわ。」 (えー!社長夫人なのに、楽してお金儲けする人が嫌いなんだ‼と私は意外な発言にびっくりしました) 「私は、75まで働いたで。 若い子もいっぱい使った。京大を出たような子も働きに来たけど、そういう頭のいい子は時間が来たら、片付けもしないでサッサと帰っていく。あんなんでは何のための勉強かわからへんなぁ。一生懸命真面目に働いて親を楽にさせてあげようってそんな気がないんやなぁ。 あんたは、75までは働ける。あんたなら出来る。頑張りや」 と言って下さるこの患者さんは、大正15年生まれで、京都の中央市場の卸会社の社長の奥様として会社を切り盛りしてこられた方です。 この方は大正生まれとは思えない自由な生き方をしてこられたようです。 まだ一ドル360円の時代に家族でハワイで年越しをしたり、(夫ではなく)旅行仲間と世界中を旅行して回ったといいます。 また、まだ二十代のころには、 富山県は日本で一番お金持ちが多いと聞いて、日本一のお金持ちの多いところを見に行きたくなって一人で行ったんだそうです。行ってみるとそこは、大きな区画整理をした田んぼが一面に広がっていて、お金を貯めるためには一番大切なお米を育てているからなんだと得心して帰って来たのだそうです。 私は、この方の「古さ」と「自由」が絶妙に組み合わさった考え方や生き方に惹かれてきました。 なので、その方から、まるで私の楽してお金儲けがしたいという失敗を見透かされたようなことを言われて、一人心の中で苦笑してしまいました。 もしかして今までにも同じことを言われていたかもしれないけれど、今回はグサリと私の心に突き刺ささりました。 自分が懸命に働き、重い荷物も若い子に任さず、担いできた頚椎は、変形し手足が痺れてしまいました。 それでも、93になる今も、自分のことはほとんどを自分でするように努力を続けるこの方は、 痺れからくる手足の痛みがひどくて、薬もない、マッサージが一番の薬だと私たちの訪問を楽しみに待って下さっているのです。 この方には恥ずかしくて言えないような考えに取り憑かれた自分が本当に恥ずかしくなりました。 よこしまな考えは捨てて一生懸命真面目に働き続けようとしみじみ思いました。 額に汗するということは、楽して稼ぐということにはない尊いものがあるのかもしれません。 まだこの最中にいる私にはそれが何かあるのかないのかもはっきりとは見えていませんが、いつかこの答えを知る日が来るのでしょうか。 あと20年以上働くなんて!気が遠くなりそうですが…75歳まで現役で働けるかな? 働きたくないけど、働いてるかもしれないし、働きたいと願うようになるかもしれないし、働かざるを得ないかもしれないですね(~_~;) 息長く働かせてもらえますように、どうぞよろしくお願い致します。

泡の話に疲弊したこと

2月の終わりに新しい仕事の話が舞い込んでいて、浮かれ、そしてその話は泡と消え、落ち込んでいる間に、時が過ぎ、もう4月も半ばになり桜が散ろうとしています。 泡の話は、蓋を開ければ詐欺まがいのものだったので、お断りしたのですが、楽なお金儲けに吸い寄せられ、夢見心地になった自分自身に、ガッカリすると同時に、気がつかなかったけれどいつもギリギリの緊張感で治療院を続けてきたんだなと、なんだか自分自身が少しかわいそうだったり、感心したりと思えた出来事となりました。 それは、マッサージの専門学校の同級生で大阪で働いている友人が、自分の治療院の社長が、京都の有料老人ホームで訪問マッサージに行けるところを探しているので、私のところで対応できないかと問い合わせてくれたものでした。 彼は、大阪の生活保護の方ばかりを入所させている老人ホームへの訪問マッサージをしている治療院に勤めています。 彼の仕事先の老人ホームは、なんだか少しヤバい匂いがすると思っていましたし、その社長が探していると考えると、少しヤバい繋がりかも知れないと不安な気持ちにもなりましたが、在宅の仕事が厳しさを増している折です。老人ホームへの仕事はとても有難い仕事先となるので、有り難く引き受けようと考えました。 それで場所や規模など詳しく内容を聞いているうちに、私の今の仕事のエリアから少し遠いこと、患者さんの数がある程度あることなどから、私の治療院だけでは対応しきれそうになく、一緒に入れる治療院の先生方と協力して展開していけたら、楽しい仕事になるのではないかと頭の中で展開を巡らせていました。 有料老人ホームに多く入っている大手チェーン治療院は、施術の内容より、作り上げた制度や数での対応、もしかしたら収入の何割かのキックバックなど、患者サイドではなく、経営者にとって都合の良いことが一番のメリットとなっているのではないかと考えてきましたので、私たち個人経営の治療院に、中身で勝負出来るチャンスが巡ってきたのではないかなど少し夢を膨らませてもいました。 ところが、さて、実際に訪問についての具体的な話をするという段になり、老人ホームではなく、仲介業者と話をしてほしいという事になりました。 やっぱり、そんないい話はないんだなぁとガッカリしましたが、仲介業者の仕組みを知ることができるのはラッキーな気もしましたし、少しのキックバックなら、在宅での訪問マッサージが立ち行かなくなった時の担保に、いい話かもしれないと考え、その業者さんと会う約束をしました。 約束に現れたその人は、大阪に本社をおく薬局チェーン店の若い営業の方でした。 その会社が訪問鍼灸治療院と、人材派遣事業も営んでいて、その上に鍼灸マッサージ治療院を対象とした会員制のネットワークを全国で800件組織していて、老人ホームの訪問鍼灸・マッサージの仲介業務を行っているということでした。 有料の会員登録をすると、人材派遣事業の信頼関係を使い、必ず同意書を書いてくれる医院を紹介することが出来る。一枚1万円(6か月有効)の手数料を取るが、医師は、会社の信頼関係があるので、お金のやりとりはなく、一般的な受診をすることで同意書を書いてくれる関係を築いていると言います。 また、今回の老人ホームへの訪問の話も、このネットワーク内の治療院が他地域への進出に伴い訪問ができなくなるため、代わりに訪問してくれる治療院を探しているということでした。 つまり、ネットワーク内の他の会員治療院から仕事を紹介してもらい、紹介手数料として、施術代の4割をその治療院にバックすること。 その代わり、私の仕事に問題が生じた時も、他の治療院を紹介してもらえて、施術代の4割をバックしてもらえるというシステムになっている。人材派遣会社のような制度で成り立っていることでした。 キックバックの4割は、小さくはありませんが、従業員の立場からすれば、私が仕事を作れないので他所の治療院に働きに行くと考えれば、従業員にとっては悪い話ではないように思いました。 その上、スタッフが立ち行かなくなった時に、従業員の心配をすることもなくなり、雇うより「お手軽に」「儲け」が出るのです。 その上に、同意書問題は、一挙解決です。 少なくない治療院が医師と提携を結び、地域も離れ、主治医でもない医院から同意書を得ている事実を見聞きしてきましたし、またそれを厚労省は問題にしていて倫理上よくないということも知っていましたが、私が望んで手に入れようと努力したわけではなく、期せずして「奥の手」が転がり込んできたそんな気持ちになりました。 目の前の営業マンは、マッサージや鍼灸の技術や患者さんのことなど大きな問題ではなく、大切なことは、如何にお金を儲けるかそれだけが大事というオーラを全身から出しています。 私は、今まで、自分の労力より技術や患者さんのことばかりを考えて、茨の道を歩いてきたことがなんだかバカらしく思えて来ました。 こんな楽なお金儲けがあるなら、もう頑張れないかもしれないし、もう頑張る必要もないかもしれないという気になりました。 全身から力が抜けてしまったのが自分でもわかりました。 それでも、こういう大事な話を即断してはいけないという理性は残っていたので、その場で考えられるリスクや疑問を質問し、なお少し考えてから返事がしたいと言いました。 お金儲けが一番というオーラ全開の営業マンは、今日に契約まで持ち込みたいというオーラをさりげなく出して来ました。 これは明らかに赤信号です。頭の中で、この営業マンと話しながらチェックして来た赤信号のサインを思い返しながら、詐欺師の手口だなと思いましたが、私を包み込んだ多幸感は大きく、まあいいかという気で仮契約にサインをしました。まだ少し残る理性で、お金さえ払わなければ問題はないという計算が働いていました。 仮契約を結び、話が終わった後、お金儲けが一番というオーラ全開の営業マンは、出会いの縁の素晴らしさを何度も口にしました。急にお金より人生を語り、出会いの縁や私の人生に興味のあるフリを始めたのです。 それは、わたしの赤信号をさらに点滅をさせました。 ますますあやしい。 契約に漕ぎ着けた後、優しいフリをするのはまさに詐欺師そのものだと思いました。 その上に、お金の支払いは、現金を用意するように指示されました。 現金ということは証拠が残らないという、まさにヤバいやり方です。 しかしながら、私を包み込んでいた多幸感は本当に大きかったので、その時は全ての赤信号を無視してしまいました。 治療院を出て、すぐに、夕飯中の家族に事の次第を報告ました。本質を見抜く能力に優れている長男が 「クソみたいなやり方やな」と吐き捨てるように言いましたが、まだまだ多幸感いっぱいの私は、必要な理由を話して彼の意見を制しました。 それから、全ての用事を済ませ、寝床に入って、ようやく冷静さを取り戻しました。 一番気がかりだったのは、自分のやり方を曲げて患者さんと関わることや医師の倫理観を無視し、医療保険制度の悪用に足を踏み入れる自分を、私は受け入れられるのだろうかということでした。 あったはずの多幸感はすっかり消えていました。 最初の電話の応対から全てを思い起こし、チェックした赤信号を冷静に思い起こしてみました。 本当にいい話なら、詐欺師まがいなことをする必要はないのに、詐欺師のやりそうなことを次々としていたことを思い出しました。 だんだんと会社自体が実在するかどうかも不安になってきました。 次の日の朝一番の仕事は、私の指南役の患者さんへの訪問からでした。 最初から、この人に相談して、やめるように言われたらやめようと決めていましたが、果たして、事業内容を話した時点で 「詐欺ね」 と言われしまいました。 詐欺師もどきな態度などと言う些末なことではなく、話し自体がねずみ講的なネットワークビジネスだし、それは 「美香ちゃんの本道ではないでしょう」と言われました。 本当にそうです。 今までの自分の歩みを自分で踏みにじるようなことを受け入れようとした自分自身をとても恥ずかしく思いました。 すぐに営業マンに電話をしました。 せっかくですが、やはり自分のやり方を曲げることは出来ません。茨の道を歩きますので、今回のお話はなかった事にしてください という私の断りに、 その営業マンは、 「4割が多いならなんとかしてくれと正直に言ったらどうですか」 と、相変わらず私の茨の道とはまるで接点のない返答をしながらも、とりあえず四の五の言わず、仮契約を破棄してくれました。 …

チームケア

「なんとかしてあげてほしいんや。時間がかかってもいいから、信頼関係を作って、なんとか人への信頼が戻るような支援をしてほしい。頼むわ。まだ力を持っているので、なんとかもう一度歩けたらと思う」 今年の1月にケアマネジャーさんからこんな依頼をいただきました。 不信の原因は、長年住みなれた家が立ち退きにあったことなのだそうです。 後見人に決定を委ねている85歳の本人の納得のないところで引っ越しが決まってしまったため「どうせ勝手にするんやろ」とみんなに心を閉ざしてしまわれたそうなのです。 ホテル建設ラッシュの京都では、借家を追い出されたという話を耳にすることが増えてきましたが、この方もその一人のようです。 80歳を超え、生まれた時からずっと住んできた家を離れ、新しい環境に適応することは簡単なことではありません。 それが本人に望んだことでなければ尚更のことでしょう。 その上に、畳ではなくフローリングの部屋に変わり、布団からベッドへの変化がこの方の機能低下に追い打ちをかけたようでした。 筋力が低下した時に、小さな力で立ち上がりが可能になったり、介護のしやすさのために、畳からベッドに変えることはとても一般的ですが、一方で、その高さに慣れず、怖くて身体を思うように動かせず、寝返りさえも難しくなることもよくあります。 この方は、引っ越しという住環境の変化を伴う寝具の変化、意欲低下のダブルパンチで、ベッドの上で身体を小さく丸めて眠り、自分で動くことがなくなり、寝たきりになってしまわれていました。そして、すでに関節拘縮が始まっていました。 「時間がかかってもいいから」という言葉から介護拒否の状態だろうと想像がつきます。 こういう時は本当に丁寧にお姫様に接するような態度でのぞみます。 ――すみません。すこし脚を伸ばしてもらえますか? 「なんでや?自分で伸ばせる。あとでする」 ――お手伝いさせていただけますか? 「いらん」 ちょっと伸ばしましょうか?とそーっと脚を伸ばそうとすると、 「いたいー!勝手にさわらんといてー!」 を何度か繰り返していると、 少しくらいは寝返りが痛みなく出来るようになって下さっているような、 拒否がエスカレートしているような……。 何時間もじっとしていれば誰だって動かす時に痛いのは当たり前です。なんとか突破しないと痛みはひどくなっても良くなることは考えられません。 それでもあまりに拒否が強く、難しいかもとあきらめそうになっていたある日、 少し遅れて行った私は、早めに来られたヘルパーさんとお会いすることがありました。 そこで、ヘルパーさんに、なかなか受け入れていただけないようので、私がダメなら他のスタッフに交代も考えていますが、とたずねました。 すると 「マッサージの先生は気に入ってはるみたいですよ。私が代わりに言ってあげるけど、代わらなくていいです。先生のこと好きですよ」 と言って下さったのです! 心が傷ついている時には、人は真っ直ぐに表す時ばかりではないのでしょうが、そうなんだ、これは気に入っている態度なんだ! 全く気がつきませんでした。 この助言のおかげで、少し強引に「いたい!こわい!」壁を越えていけるなと思えることができました。 そして、この日から「いたい、やめてー」の言葉を、自分の中では「優しくしてね」の言葉に置き換え、動かしたり、起こしたりしていると、車椅子にすわり、おやつを食べていただけるようになりました。 元々大きな疾患があるわけではないので、怖さ・痛さが薄らぐことで、動きがスムーズに、日常生活においても介護拒否が減ってきたようでした。 ヘルパーさんも丁寧に介護を続けて下さるおかげで、私が訪問する間にも、表情が和らぎ、穏やかで元気な声で挨拶をして下さるようになり、動きも少しずつ良くなって来られました。 いまは、まだ寝たきりという範疇に入る暮らしですが、ベッドに支えなく座ることが出来るようになられました。 座って足を動かして運動もして下さいます。 「やめてー」という言葉はまだありますが。 近い将来、歩ける日が迎えられるように、私も粘り強く関わりたいと思います。 このケースはチームケアがうまく流れたケースなのかなと思います。 その第1番は、ケアマネジャーさんが、この患者さんの心の傷をなんとかしてあげたいと考えたプランを立てられたことです。 そのプランのもと、介護拒否の強い方に対して、その傷を無視することなく、ヘルパーさんも粘り強く関わっていらっしゃったことも機能を向上させた大きな要因になったと思います。 繊細に心を感じるヘルパーさんの助言がなければ私も頑張れなかったと思います。 心の傷は誰かの愛によってしか癒えることはないのだろうとしみじみ感じるケースです。こんなケースに参加させていただけることが私の幸せの元です。

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