医療費・介護保険の大幅改訂、マッサージ師の置かれている状況

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来るべき超高齢社会にむけて、逼迫する医療費・介護保険を切り詰めていくための大幅な改定が進められており、鍼灸マッサージの医療費についても、この6月から往療費を少なくして施術費を少し増やすといった改定が行われます。(制度自体が大きく変わりますが、詳しくはまた今度に)

介護保険もこの4月に大きな改定があったようですが、中でも、リハビリに関してかなり厳しい対応になったようです。

痛みや機能障害によって歩行困難になれば、活動量が低下するため廃用的に機能低下がどんどん進んでいきます。

今までは、そのような状態に対してリハビリをすることで、日常生活動作のレベル低下を防ぎ、現状を維持していくことが、大切な取り組みとなされてきたように思いますが、これからは、理学療法士・作業療法士による機能向上のないリハビリについては打ち切っていくという考えに変わってきていると聞きました。

そういう機能維持リハビリは、デイサービスの中や、老人会の中で行われている集団の体操が担っていくことになるようです。

そして、我が訪問マッサージが置かれている状況はさらに厳しくて、医療保険制度としては残るけれど、マッサージを必要とする場合は、保険ではなく自費治療で行っていくように、医師会の中で指導されているようです。

医療保険が逼迫し、使えるお金に限りがあるのだから、命を左右するような、必要最低限のことにしか保険が適応されなくなるのは仕方のないことなのかもしれません。

自分では、患者さんに必要な医療の提供が出来るように、技術の研鑽・臨床の積み重ねを続けているつもりですが、目には見えないマッサージの効果を出したところで、マッサージ師によるマッサージを必要と考えない医師や保険者、厚労省の考えを覆せるとも思えず、先行きを考え始めると、辛いような悲しいような遣る瀬無い気持ちになってきます。

でも、こういう成果・結果を大前提とした高齢者や終末期医療が本当に患者さんの望むところであるとは限りません。

少し前に、ある患者さんと、ターミナル(終末期)の方に訪問している話をしていたら、
「私は、点滴などの医療処置や陰部洗浄などの保清や清拭をしてもらいながら死んでいきたくないわ。マッサージを受けながら死んでいく方がいいわ。頼むわね」とおっしゃいます。

私は、自分が死の淵にある時、どういうサービスや医療を受けたいのか、具体的に考えた事がなかったので、こんな風に言っていただいて初めて、そういうものかとしみじみ思いました。

ついつい医師や関係者に対して結果を出す事ばかりに気をとられ、心地いい時間を提供できていることの意味を自分では忘れがちです。
私たちには、マッサージ師だから、気持ちいいのは当たり前で、そのこと自体は大したことじゃないという感覚があるのかもしれません。

でも受け手の側からすると、気持ちいい感覚の中で死に向かって行けるというのは、消えそうな命を長引かせる医療処置より、元気な頃と同じような綺麗さを求める保清より、大切に思えるものなんだと、とても新鮮に感じました。

厳しい社会情勢の中で、結果や成果ばかりを気にして大切なものを見失いそうになりますが、心地よさが生きることの希望になることもあるということを忘れずに、心地よさを大切にする施術をしていこうと思います。
そのことが、私自信にとっても希望にもなるように思います。

社会の流れに惑わされず、患者さんの言葉を励みに頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

日々移ろう紫陽花のように、心はいつも揺れ動いてます

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