春がきたことを知らせてくれる身体

昨日は京都府鍼灸マッサージ師会のブロック総会と懇親会がありました。帰りついたのは午前様でした。

今日は朝から町内ソフトボール大会があり、2年ぶりのピッチャーで、二試合も投げました。もう身体が動きません。身体中が棒のようです😭

今週は京都に春が来ました。

春が来ると、患者さんたちの身体が、すっごく、まるで別人のようにほぐれます。本当は見た目はほとんど一緒かもしれませんが、一ミリの隙間を作ることに必死になっている私からすると別人のように思えるくらいの緩みです。

気温が上がった時にある日突然緊張が抜けるのです。何度になると緩むという単純なことではない気もしますが、とにかく春が来たのを植物みたいに知らせてもらえる緩みです。

最初この変化に気がついた時は、今日はどうしたんだろう。私天才?なんて思ったりしましたが、毎年同じことが繰り返されるので、春が来た❣️ってわかるようになりました。

身体は正直ですね。

そんな中で一番嬉しかった出来事は、パーキンソン病で寝たきり、四肢の筋緊張が強く、衣類の着脱も大変な方の身体に春が訪れたことです。
主治医も抗パーキンソン剤の調整に苦心されていますが、あまりの硬さに手のつけようもなく、ご家族だけでなく、ヘルパー・訪問看護などみなさん困っているし、なんとかしたいと必死の努力をしてはいるのですが大きな改善がみられません。

四肢の緊張が強く、嚥下も発語も困難な方です。緊張が強くない時は、両下肢を上手に動かして足を足で掻いたり、手で胸を掻いたりされていましたが、この頃は自由に動かせるのは、眼の開閉くらいになっていらっしゃいました。

こんな生活がもう五年以上続いてるこの方の意思表示は本当に小さいし、出来ないことが多すぎます。こういう状態が続くと、意思表示することや世界にコミットすること自体が嫌になられる方が多いように思います。
ところが、この方は私の質問や声かけにちゃんと目で返事をして下さいます。座ることさえままならない本当の寝たきりで、発語も出来ないのに、閉じこもったりいじけたりせず、必ず返事して下さる様子から、人柄を感じることができるすごい人だなといつも思わせていただいています。

その動かない、目でしか返事できないこの人が、先日は、施術する前に、脇が硬くならないようにかませてあるクッションを取ろうとすると、少しですが御自分で脇を開いて下さいました。
驚きながら施術をすすめると、背部など全身の緊張が少し緩んでいます。
そして最後は、私とご家族様の話を聞いて、笑みを浮かべて下さいました。久しぶりの表情に本当に嬉しくなりました。

長い時間筋緊張が強かったので、少しの緩みが出ただけで、関節は固まってしまっています。それでも1ミリの隙間が全身に作れるようにすることがとても大切です。
皆さんの努力が功を奏していて、床ずれも大きな皮膚トラブルもありません。しかし残念ながら、唾液を飲み込むことや、呼吸することはだんだん厳しくなってきておられます。

御本人様が諦めきっていらっしゃらないのです。私も春の力を借りて、楽な呼吸が出来るように、またもう少し表情がいっぱい出せるよう取り組みを進めて行きたいと思います。

陽射しが春です。
短い春にはマッサージのかわりに車椅子散歩に行ったりします。

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