あこがれの三重県

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息子たちが幼かった頃、彼らは虫博士でした。
一緒に絶滅危惧種になったタガメを探したこともありますが、
見つけることは叶いませんでした。

関西で今もタガメがいる可能性があるのは
人の手が一番入っていない自然が残されている
三重県だと何かで読んだことがあります。

そんなタガメが残る秘境出身の患者様が、
私の治療院には3人いらっしゃいます。

ある時、
その方たち3人ともが、
身長が高くなく、少し頬骨が出ていて、目が細いという特徴があり
よく似ていらっしゃる事に気がつきました。

たまたまかなと思いながら、
一人の方に話してみたら、
「そうなんや。屋台のラーメン屋が親父そっくりだったから、
どこから来たか尋ねたら、同郷人やったんや」
とのことでした。

私は一人勝手に想像するのです。
その患者様たちは、
心もどこかしら似ていて、
戦前戦後を生き抜いてきた
真面目で一生懸命な日本人のスピリットを
そのまま体現されれいるような方々なんじゃないかと。

なぜなら、
治療中に話して下さるお話は、
それぞれに全く別の境遇にもかかわらず、
どこかしら似ていらっしゃるように感じるからです。

人生を生き抜いて来られた強さと、
その御苦労の深さから出てくるカンの良さと
細やかな気遣いが
どことはなしに、
他の人たちとは違う気がするのです。

私は治療をしながら、
この患者様たちの残りの人生が
穏やかなものでありますようにと
いつも願わずにはいられません。
そういう気持ちをもたらせてくれる方達なのです。

お一人は、
二週間に一度治療院に来て下さる自費治療の患者様です。

先日の連休明けの土曜日にも来て下さいました。

この方は
身体中の関節が柔らかすぎて、
身体を支えるのが大変になっていました。
関節が柔らかいということは、
身体の支持力が弱いので、
歳をとると結構大変です。

前回来られた時に、
歩くのが少しずつ大変になっていたので、
できる範囲でたくさん歩く方がいいとお伝えしました。

助言に従い、
毎朝の散歩を続けられたそうで、
足の筋肉は見違えるくらいしっかりされていました。

毎回「いい先生に巡り会えて幸せや」と言って下さるので、
私も「いい人に来ていただけて本当に幸せです」と答えます。
耳が少し遠いので、ちゃんと聞こえているか心配ですが。

治療院は二階にあるので足元が心配で、
「一人で大丈夫」と言われても、
「万が一のことがあったら悔やんでも悔やみきれません。手伝わしてください」と、
一階まで降りるのをお手伝いしていました。

「またお越しくださいね。」とお見送りしましたが、
それが、最後になりました。

その6日後、
同居の妹さんに
「お寿司が食べたい、今日はわたしのおごりやで」と伝え

妹さんが出かける前、
洗濯物を取り入れるのに席を外し
戻ってみたら呼吸が止まっていたそうです。

生きて来られた人生をそのまま体現するような、
素晴らしい大往生だと思います。

それでも、
定期的にお会いしている人が突然に逝かれるのは
やっぱり寂しいです。

お会いできたことは本当に幸せでした。

御苦労の連続だったので、
あの世でようやくゆっくりのんびり過ごされるのだろうと思います。
心よりご冥福をお祈りします。

そして、ありがとうございました。

お伊勢さんの飴なんだそうです。おみやげに下さいます。ニッキがきいたとても美味しい飴です。

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